「同じ3時間でも、終わってみると出来上がりが違う」──そんな経験はありませんか。料理サポートに伺うと、限られた時間の中でやりくりが必要になります。何品作るか、洗い物にどれだけ時間を使うか、リクエストにどこまで応えるか。今回の社内勉強会では、長くサポートに携わってきたメンバーを囲んで、日々の現場で積み重ねてきた工夫を持ち寄りました。「正解はひとつではない」ことを改めて感じる、和やかな時間になりました。
勉強会の概要
今回は、長く現場に立ってきたメンバーから、日頃の料理サポートで工夫していることを共有してもらう形で進めました。誰かが「先生」になるというよりは、参加者がそれぞれの困りごとや「これってどうしてる?」を持ち寄り、お互いに学び合うようなスタイルです。
話題は調理器具の使い方から、お客様との時間配分の相談の仕方まで多岐にわたりました。ここではその中から、特に多くのメンバーの参考になりそうな内容をピックアップしてご紹介します。
なお、ここに書かれている内容はあくまで一例です。お客様のご家庭の環境やご要望は様々ですので、すべての現場にそのまま当てはまるわけではありません。
トレーや容器を「もう一つの調理器具」として使う
ハンバーグも「ワンパン」発想で
最初に話題になったのは、ワンパン料理の工夫でした。最近SNSでもよく見かける、フライパンひとつで完結させる調理法です。
たとえばハンバーグ。挽き肉が入っていたトレーに玉ねぎのみじん切りを移して、その中で混ぜる。そのまま小分けにして、フライパンに並べてスイッチオン──というやり方が紹介されました。
「ボウルを使わない分、洗い物が減るのが大きい」という声が上がっていました。挽き肉のトレーは結局捨てるものなので、調理器具の一部として使ってしまうという発想です。
まいたけのパックや、お肉のトレーも同じように活用できる。切った野菜を一時置きしておく場所として使えば、ボウルが足りない時にも助かります。

チーズカツ・ロール料理にも応用できる
チーズカツや薄切り肉のロール料理でも、同じ考え方が使えるという話も出ました。お肉をトレーの中で並べてマヨネーズを塗り、好きな具材を巻いて、そのままフライパンへ。マヨネーズが卵液の代わりになるので、卵を溶く工程も省けます。
「卵を省けるのは大きい。溶いた卵があと少し余るのも、もったいないし」という声もありました。エビフライなども、小麦粉と水を少し混ぜたものを衣にして、そこにパン粉をつければ、卵なしでも仕上げられます。
キッチンバサミと鍋の使い回し
パックの中でハサミ──まな板を汚さない工夫
次に話題になったのは、キッチンバサミの活用です。お肉をパックの中でハサミで切ってしまえば、まな板も包丁も汚さずに済みます。
「お肉用に別のまな板と包丁を用意するお宅もあるけれど、結局それも洗わなきゃいけない。ハサミだけで済めば、その後すぐ他の作業に移れる」という指摘がありました。
豚バラの薄切りなど、長いものをカットする時にもハサミが便利。一方で、ぬめりのあるものや、きれいに切りたいものは包丁の方が向くという話も出て、使い分けが大事だという結論になりました。
アクの弱いものから順に、一つの鍋で
鍋の使い回しについても話題が広がりました。お湯を沸かして茹で物をする時、アクの弱いものから順番に一つの鍋で茹でていくという方法です。
たとえば、もやし → 何か → ほうれん草、というように、アクの強いものを最後にすれば、お湯を変えずに済みます。「最初の頃は素材ごとに鍋を分けていたけれど、教えてもらってからこのやり方になった」というメンバーもいて、お互いに「そういうやり方があるんだ」という気づきがありました。

電子レンジは「もう一つのコンロ」
「3分ずつ様子見」で失敗を減らす
電子レンジの使い方も、長く話題になりました。
「電子レンジって意外と難しいんですよね。やりすぎると水分が飛んでパサパサになるし、ブロッコリーをやると色がまだらになって、見た目がきれいに仕上がらない」という悩みを共有するメンバーもいました。
そこで出てきた工夫は、「3分ずつ様子を見ながら追加加熱する」というやり方です。
カットしたかぼちゃや、乱切りにした根菜類を耐熱ボウルに入れる。ラップは全部かけずに、端を少し開けてふんわりとかける。これは熱の逃げ道を作るためで、ラップを取る時に「熱っ!」とならない工夫でもあります。
「最初から5分やろうとすると、塊で固まったり、逆にやりすぎたりする。3分でいったん止めて、様子を見て、足りなかったら追加して、ひっくり返して」──そんな手順なら、失敗が減らせるかもしれません。
コンロを空けて並行作業に
電子レンジを使うもう一つの良さとして挙がったのは、「コンロが空くから同時並行で作業できる」という点でした。じゃがいもをレンジで加熱している間に、ポテトサラダのきゅうりを切ったり、他の料理に取りかかれる。3時間という時間を有効に使うには、こうした並行作業の工夫も大切だという話になりました。
冷凍肉の解凍は「素材の状態」が分かれ目
レンジ・流水・低ワットの使い分け
苦労話として共感が広がったのが、冷凍肉の扱いでした。
「ガチガチに固まったお肉が冷凍庫に入っていると、包丁も入らない。これはちょっと厳しいな、と思うこともある」という声に、何人もが頷いていました。
レンジで解凍しようとすると、外側が加熱されてしまったり、肉汁が出てしまったり。お湯につけても表面だけ火が通ってしまう。一番きれいに解凍できるのは、ビニール袋にしっかり入れて流水解凍する方法だそうですが、それでも時間はかかります。

お客様への事前のひと言が、当日の品数を変える
そこで話題になったのが、お客様への事前のお願いです。
「素材の状態が、調理を始められる状態になっているかどうか。それが時間内に作れる量を大きく左右する」──そのため、訪問前のやりとりの中で「お肉は包丁が入るくらいまで解凍しておいていただけると助かります」とお伝えしておくと、結果的にお客様にとっても品数が増えて満足度が上がることがある、という話でした。
レンジでの解凍をどうしてもする場合は、200ワットなど一番低いワット数で、30秒ずつ様子を見ながら──というのが、複数のメンバーから出ていたコツでした。
「洗い物30分は調理時間30分」という考え方
同じ3時間でも、出来上がりが変わる理由
勉強会の後半は、料理のテクニックから少し離れて、お客様との時間配分の話に広がりました。
「シンクに洗い物がたまったままだと、そこも調理スペースなので、まずそれを片付けないと始められない。でも、それに30分かかってしまうと、その分料理に使える時間が30分減ってしまう」
これは多くのサポーターが感じている課題のようでした。同じ3時間でも、最初の30分が片付けに消えると、2時間半しか調理時間が取れない。「2時間半と3時間は、本当に出来上がりが違う」という実感が共有されました。
3時間サポートの時間配分
最初の片付けの有無で、実質の調理時間はこんなに変わる
同じ「3時間サポート」でも、実質的に料理に使える時間が30分違うだけで、出来上がる品数や仕上がりは大きく変わります。
抱え込まず、お客様にお伝えする
ここで大切なのは、「これを我慢して引き受けるか、それともお客様にお伝えするか」という判断です。
長くサポートしているメンバーからは、こんな話が出ました。
「最初の頃は、サービス残業みたいに自分で抱え込んでいた時期もあった。でも、それってお互いの負担になるし、長く続けていくためには良くない。だから、今は『申し訳ないのですが、リクエストいただいたうちのこれは今回難しいので、来週に回させてください』とお伝えするようにしている。それでもやってほしいと言われたら、延長の申請をこちらからお願いする、というふうに切り替えました」
これは現場で長く続けていく中で見つけた、お客様との健やかな関係の作り方の一つかもしれません。
「品数」よりも「ご家庭ごとの正解」
勉強会の終盤、品数についての話題も出ました。
「もう1品でも多く作ってほしい、というお宅もあれば、その時間の中でできる範囲でいいですよ、というお宅もある」
「品数しか作らないと決めているメンバーもいれば、リクエストに合わせて柔軟に変えるメンバーもいる」
どれが正しい、というものではなく、お客様とサポーターのお互いができる範囲の中で、その家庭なりの正解を見つけていく──そんな結論で、この話題は落ち着きました。
サポート内容はご家庭ごとに異なります。サポーターも完璧ではありませんし、毎回同じ品数を約束できるわけでもありません。だからこそ、対話を重ねながら、その家庭にとってちょうどいい形を一緒に探していく姿勢が大事なのだと、改めて感じる時間でした。
勉強会を終えて
今回の勉強会で印象に残ったのは、誰かが「正解」を教えるのではなく、それぞれが工夫を持ち寄り、「そういうやり方もあるんだ」と学び合う雰囲気でした。
「私、電子レンジ本当に下手で」「冷凍肉の解凍、いつも失敗するんですよ」──そんな素直な声が出る場だからこそ、ベテランのメンバーからも「私もそうなる」「うまくいかない時もある」という言葉が返ってくる。サポーターは完璧な存在ではなく、お客様と一緒に「どうしようか」を考えながら、日々工夫を重ねている人たちなのだと、改めて思いました。
ここでご紹介した工夫は、あくまで一例です。すべてのご家庭で同じことができるわけではありませんし、ご家庭の調理器具や食材の状況によって、できることは変わります。
「第二の実家」では、こうしたサポーター同士の学び合いを大切にしながら、ご家庭ごとに合ったサポートの形を一緒に探していきます。料理のお悩みや、サポート内容についてのご相談は、まずはお気軽にお声がけください。
この記事は社内勉強会の内容をもとに作成しました。サポート内容はご家庭の状況やご要望によって異なりますので、あくまで一例としてご覧ください。
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